Early Music Art Gallery  ―――オルガン(39)―――


ドルチ『オルガンの前に座る聖セシリア』
カルロ・ドルチ
Carlo Dolci
(1616-1686)

『オルガンの前に座る聖セシリア』
St Cecilia at the Organ

1671年制作

ドレスデン国立絵画館
Gemaldegalerie, Dresden



清楚な横顔の美しさが際だっているのが、カルロ・ドルチの聖セシリアだと思います。柔らかで透明な色彩によって描かれた『オルガンの前に座る聖セシリア』は、ぼかし効果もあいまって、甘美な人物表現が際だつように思われます。

この絵を描いたカルロ・ドルチは、17世紀半ばのフィレンツェを代表する画家のひとりでした。早くから才能を発揮した彼は、10代後半には画家として独立しました。どちらかと言えば小型の肖像画や宗教画を主として描き、中でも聖母像が生前から有名だったようです。

ドルチにはもう一枚、現在はエルミタージュ美術館に収蔵されている『聖セシリア』もありますが、どちらが好きかと言われると、ためらわずにこちらの絵を選んでしまいます。

手前に描かれたユリの花は、聖セシリアの純潔を表すものですが、これが描かれていなかったとしても、十分に清楚な雰囲気を感じさせる絵だと思います。

聖セシリアが弾いているオルガンは、残念ながら全体が描かれていませんが、パイプの太さなどから考えると、大きめのポジティフ・オルガンではないでしょうか。

(2004/05/05)

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