Early Music Art Gallery  ―――チェンバロ(42)―――


ガブリエル=ジャック・ド・サントーバン『二重奏』
ガブリエル=ジャック・ド・サントーバン
Gabriel-Jacques de Saint-Aubin
(1724-1780)

『二重奏』
The Musical Duo

1772年頃制作

サンフランシスコ美術館
Fine Srts Museums of San Francisce



ガブリエル=ジャック・ド・サントーバンは、パリ生まれのフランス人画家、版画家、素描家でした。時代的にはロココの後期から新古典前期といったところでしょうか。生前はアカデミーに認められず、カタログなどの挿絵で生計を立てるなど、芸術家としては不遇のまま亡くなったようです。

サントーバンの絵画技法は、基本的にフランソワ・ブーシェ Francois Boucher (1703-70) の影響を強く受けてると言われますが、ここで取り上げた『二重奏』のような、水彩画やチョークを用いた素早いタッチの風俗画では、技術的な面は別として、心情的にはヴァトー Jean-Antoine Watteau (1684-1721) の絵画に共通する繊細さが感じられます。

少し暗めの画面の中に、クラヴサンを弾く女性とヴァイオリンを弾く男性を描いただけのものですが、その優雅で詩的なたたずまいは、柔らかな寂寥感に縁取られているような気がしてなりません。

(2007/12/23)

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