Early Music Art Gallery  ―――チェンバロ(34)―――


カレル・マルクス・タッシャー『シュディ一家』
カレル・マルクス・タッシャー
Carl Marcus Tuscher
(1705-1751)

『バーカット・シュディ夫妻と子供達』
Burkat Shudi with his wife
and two children

1742年頃作成

ロンドン,国立肖像画美術館
National Portrait Gallery, London



画面の向かって左側で、ハープシコードを調弦している様子で描かれているバーカット・シュディ Burkat Shudi (1702-73)は、スイス生まれで元々の名前はブルクハルト・チューディ Burckhardt Tshudi と言います。1718年にイギリスに移住後、現地で発音し易いバーカット・シュディに改名し、以後はイギリスのハープシコード製作者として活躍しました。

現在、彼の手になるハープシコードが23台ほど残っているらしいのですが、彼の弟子のひとりであり、のちに娘婿としてハープシコード工場の共同経営者にもなったジョン・ブロードウッド John Broadwood (1732-1812)が、現代的なピアノの基礎を作った人物なので、シュディの名は、ハープシコード製作者としてよりも、ブロードウッドの師匠とか岳父として有名であるようです。

ちなみに、絵の中でシュディが調弦しているハープシコードは、プロイセンのフリードリヒ大王 Friedrich II (1712-86、在位1740-86) のために作られたものだと考えられています。

この絵を描いたマルクス・タッシャーは、ドイツのニュルンベルク出身の画家、版画家です。1728年にイタリアに留学し、ナポリのセバスティアーノ・コンカ Sebastiano Conca (1679-1764) やローマのカルロ・マラッティ Carlo Maratti (1650-1718) の影響を受け、後期バロック的な古典的理想主義の絵や版画を残しています。

イタリア留学後、1741年からデンマーク王室の宮廷画家に任命される1743年まで、タッシャーはイギリスに滞在しており、シュディ夫妻と二人の男の子を描いたこの家族肖像画も、この期間に描かれたものです。

(2007/12/04)

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