Early Music Art Gallery  ―――チェンバロ(33)―――


ブーシェ『ポンパドゥール候爵夫人の肖像』
フランソワ・ブーシェ
Francois Boucher
(1703-1770)

『ポンパドゥール伯爵夫人の肖像』
The Marquise de Pompadour

制作年不明

パリ,ルーヴル美術館
Musee du Louvre, Paris



制作年不明の『ポンパドゥール伯爵夫人の肖像』は、リコーダーでも取り上げた、フランス・ロココを代表するブーシェの作品です。

多分、ブーシェが描いたポンパドール夫人の肖像画としては、優雅さと威厳をあわせ持った、大輪の薔薇の花を思わせるミュンヘンのアルテ・ピナコテーク所蔵の作品が最も有名ではないかと思いますが、それに比べるとルーヴル所蔵のこの絵はかなり雰囲気が違います。

ポンパドゥール夫人(1721-64)の本名は、ジャンヌ・アントワネット・ポワソン Jeanne-Antoinette Poisson と言います。パリのブルジョワ階級の銀行家の娘として生まれた彼女は、平民という身分ながら貴族の子女以上の教育を受けて育ちました。

1741年に徴税請負人のル・ノルマン・デティオールと結婚した後、超一流サロンに出入りするようになった彼女は、1744年にその美貌がルイ15世の目に止り、ポンパドゥール伯爵夫人の称号を与えられて夫と離婚し、1745年9月14日正式にフランス国王の公式の愛妾として認められました。

また、ポンパドール夫人は芸術の熱心な愛好家、パトロンでもあったため、彼女の庇護を受けた画家や彫刻家は、理想化した肖像を制作しています。

正直な話、この絵の題名を知ってからも、知識として知っているポンパドゥール夫人の人物像とどうしてもかみ合わず、違和感がぬぐえません。ただ、この絵のタッチは画像で見る限り、ブーシェとは思えないくらいザックリとした感じがあるので、それが若さや初々しさを感じさせる原因かもしれません。

(2007/12/02)

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