Early Music Art Gallery  ―――チェンバロ(22)―――


マーセラス・ラルーン『音楽のある集い』
マーセラス・ラルーン(子)
Marcellus Laroon The Younger
(1679-1774)

『音楽のある集い』
Musical Conversation

1760年頃作成

米国,エール英国美術センター
Yale Center for British Art, USA



Conversation は「会話」や「談話」を意味しますが、美術用語で Conversation Piece と言えば、18世紀英国で流行した家族の集まりなどの群像画を指します。「家族肖像画」と訳されることも多いのですが、この絵の家族と言うよりは、サロンのような社交的な小集団の様子を描いているようです。

もちろん、一族郎党が集まった機会に、有志で音楽を披露している図と見ることも出来なくはありません。例えば、画面左側の座っている男性がお祖父さんで、その誕生日に子どもや孫が集まっている、というような感じでしょうか。

いずれにしろ、画面右側でチェンバロ、リュート、チェロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ヴァイオリン(背中を向けて座っている男性の足もとにヴァイオリン・ケースが見えます)に合わせて男性が歌っています。

この『音楽のある集い』を描いたマーセラス・ラルーンは、ロンドン西部のチズウィックで生まれた、フランス系イギリス人画家です。彼は、フランス・ロココの雅宴画的な茶会風景のペン画でよく知られています。

ところで、この絵は一見すると水彩画か版画のように見えますが、実際は油絵だと言うことです。ラルーンの油絵は、だいたいがこいうタッチのなのですが、初めて見たときにかなり驚きました。よく考えれば、油の量でいかようにもなるのですが、どうもゴッホのイメージが強くて・・・。

(2006/11/22)

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