Early Music Art Gallery  ―――チェンバロ(20)―――


作者不詳『合奏』
作者不詳
anonymous
(18世紀)

『合奏』
Concert

制作年不明

個人所蔵
Private Collection



18世紀のフランスで作られた版画です。とてもシンプルな構図の絵ですが、図の下の説明書きからすると、右の男性が吹いているのはバスーン(ファゴット)で、左の女性が弾いているのはアップライト(縦型)・クラヴィコードという事になっています。

従って、題名から言うと、同じ鍵盤楽器でもクラヴィコードに分類するべきなのですが、どう見ても縦型チェンバロのクラヴィツィテリウム Clavicytherium にしか見えません。

鍵盤楽器の中でも、クラヴィコードは最も単純な構造で、小型で音色も弱い楽器です。18世紀には2段鍵盤のものや大きなものも作られていますし、アップライト・クラヴィコードも存在してはいるのですが、この絵の楽器ほど低音弦が長くて大きなものというのは、ちょっと考えにくいのです。

おまけに、弦をタンジェントで突っついて音を出すクラヴィコードと、管楽器のファゴットの合奏などということになったら、どう考えてもクラヴィコードの音は聴こえないのではないでしょうか。

琴でもギターでもリュートでも良いですから、撥弦楽器を何か想像してみて下さい。手元にあるなら実験してみてもよいでしょう。ピアノのようにハンマーで叩くのではなく、爪かピックで突っつくか叩くのです。それほど大きな音が出ないのは、考えただけでもわかります。

以上、私の勝手な推論と思いこみを根拠(?)として、この絵はチェンバロに分類してみましたが、正直に言って、クラヴィコードとチェンバロどちらに分類するべきなのか、素人の悲しさで断定はできません。どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教授いただければと思います。

(2007/12/20)

[Back] [Cembalo Index] [Home] [Gallery Index] [Next]