Early Music Art Gallery  ―――チェンバロ(15)―――


ニコラ・ド・ラルジリエール『アデレード・ド・グェイダンと妹カデット』
ニコラ・ド・ラルジリエール
Nicolas de Largilliere

(1656-1746)

『アデレード・ド・グェイダンと妹カデット』
Adelaide de Gueidan and her sister Cadette

制作年不明

フランス,エクサンプロヴァンス, グラネ美術館
Musee Granet, Aix-en-Provence, French




肖像画は、対象を写実的に表現することに主眼がおかれますが、フランスにおいて肖像画の魅力的な作品が描かれるようになったのは、18世紀になってからのことでした。

フランス・アカデミーにおいて、肖像画は歴史画に次ぐ重要なジャンルとされ、初期は歴史画家が肖像画を手がけるのが一般的でした。彼らはモデルをその身分や性格をあらわす持ち物(アトリビュート attribute)とともにあらわしたため、それがフランスの肖像画の一般的な形態になりした。

18世紀になると、肖像画を専門に描く画家が現れるようになり、その代表格がイアサント・リゴー Hyacinthe Rigaud (1659-1743) とニコラ・ド・ラルジリエールのふたりの肖像画家です。リゴーは王侯貴族を、ラルジリエールは主に貴族や裕福な中産階級の市民を描くことが多かったようです。

ラルジリエールはパリで生まれましたが、若い頃にオランダのアントワープに移り、1674頃からピーター・レリー Peter Lely (1618-1680) の助手としてイギリスで数年を過ごしています。そのため、彼はオランダ的な、人物を自然は雰囲気で描く画家になりました。パリに戻ったのは1682年で、1686年には絵画と彫刻の両部門でアカデミーの会員になっています。

『アデレード・ド・グェイダンと妹カデット』は、制作年不明の肖像画ですが、エクサンプロバンスの地方貴族の姉妹が描かれています。中央でクラブサンを弾いているのが姉のアデレードで、向かって左手の笛を持った少女が妹のカデットです。仕上げの滑らかさは、ラルジリエール独特のものと言えるでしょう。

(2007/11/14)

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