Early Music Art Gallery  ―――チェンバロ(9)―――


ヤコプ・オホテルフェルト『ハープシコードの前に立つ女』
ヤコプ・オホテルフェルト
Jacob Ochtervelt
(1634-1682)

『ハープシコードの前に立つ女』
A Woman standing at a Harpsichord

1675-80年頃制作

ロンドン,ナショナル・ギャラリー
National Gallery, London



『ハープシコードの前に立つ女』は、リコーダーでも取り上げた、ヤコプ・オホテルフェルトの晩年の作品です。正直に言うと、女性が弾いているのがヴァージナルなのかチェンバロなのか、私には判別ができないのですが、とりあえず、題名通りにチェンバロ(ハープシコード)を弾いているという事にしておきましょう。

女性が着ている衣服の光沢が非常に印象的な絵で、一見すると彼女以外のものは目に入ってこないのですが、よく見てみると、彼女の側には男性が座っていて、オランダ風俗画の基本的な約束事の中で描かれているのがわかります。

後ろの壁には風景画が掛けられ、女性の足下には性欲を暗示する猫が座っています。チェンバロのレッスン中とも、恋人同士の逢い引きともとれる設定ですね。

ただ、後期のオホテルフェルトの作品は、基本的にはっきりした明暗法が特徴的ではあるのですが、モノクロームの写真の中の一ヶ所にだけ色を付けたようなこの絵は、どことなくミステリアスな雰囲気を醸し出しているような気がします。

(2007/11/02)

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